トラヴィス・スコットのライブが今年最強だった。後ろにはカニエがいて、横にはビヨンセとJAY-Zがいた。LAライブレポ。

トラヴィス・スコットのライブが今年最強だった。後ろにはカニエがいて、横にはビヨンセとJAY-Zがいた。LAライブレポ。

トラヴィス・スコットの単独ライブをNYで観なかったのだが、ケンドリック・ラマーが出演した時にその映像の一部を観てやばいものを観逃したと思った。それで、貯まったマイレージを使って急いでLAで観て来た。しかし、行っておいて良かった。このライブは、ダントツで今年最強と言える内容だったから。

ケンドリックの共演をレポートした時にも紹介したが、何しろ、セットがこれだ。ローラーコースターがあるのだ。


これがメインステージと第2ステージの間を走っている。トラヴィスが乗るだけじゃなくて、選ばれたファンも乗せてもらえる。すごい。さらに、第2ステージには、トミー・リーが訴えると脅した360度回転する椅子もある。ここにも、次々にファンが乗せてもらっていた。会場の外には、観覧車まであり、つまり、『アストロワールド』というタイトルの通り、キッズにとっては、宇宙規模の遊園地と化しているのがこのライブだ。

観客は男子のみならず、女子もたくさんで、その若いエネルギーを思う存分発散させる今年最高の場となってた。会場のエネルギはー常に大合唱かつ飛びまくり。始まりから終わりまでこんな感じだ。


トラヴィスのセットは、そのエネルギーを絶対に沈めないように、ローラーコースターから、360度のみならず、フロア全体に巨大なスクリーンが降りて来て、そこに映像が映し出されたり、1曲ごとのセットが目まぐるしく変わり続ける。最近のキッズ達のアテンションスパンの短さを熟知したものでありながら、そのひとつずつのインパクが最強。だからアンコール休憩などなく、最後まで一気に走り抜ける。


ただ、そのセットのおかげで煽られているというものでなくて、もともとトラヴィスのパフォーマンスと存在自体だけで、キッズは十分盛り上がるのだ。このライブセットは、それをさらに特別な体験にするために、ここまで強烈なものにしてある、という感じだった。


2018年のメインストリームのアクトにとっては、それが今のライブの姿勢で、トラヴィスのライブというのは、その最強だったと思う。

これから発売のロッキング・オンのコレポンでも書いているのだけど、今のライブというのは、1)誰かがインスタを撮ってポストした瞬間にライブが”始まる”ので、最初の1枚の写真がどのように映るのかすごく意識している。2)ファンは観たこともないスペキュタクラーを期待している。3)それでいてファンは、これまでになくアクトを近くに感じるライブを期待している。トラヴィスのライブはそれを全て叶えていた。

だからネタバレになるのでは言わない、というものではなくて、どんどん見せることで、ファンを自分も行きたいと思わせるライブになっている。実際私自身が、LAまで飛んだわけだし(笑)。だから、ツアーのタイトルが最初から「君もここに来れたら良かったのに」だ。図星。

私は12月19日のLAのライブを観たのだけど、なんと真後ろには、カニエ・ウェスとキム・カーダシアンがいた。会場からはカニエコールまで起きていたが、私としてはライブだけでも圧倒されていたのに、トラヴィスを観ているカニエも観るというダブルの忙しさだった(笑)。

トラヴィス・スコットのライブが今年最強だった。後ろにはカニエがいて、横にはビヨンセとJAY-Zがいた。LAライブレポ。

しかも、カニエに気を取られて気付かなかったのだけど、私の位置から5メートルほどの所に、なんとビヨンセとJAY-Zも来ていたのだ。きえー。


チケットは、90ドル代から、VIPチケットは350ドルまである。が、私が行かねばと思った時はすでに完全に売り切れで、レーベルの方に無理やりお願いして取ってもらった。ありがとうございます。トラヴィスは、『アストロワールド』Wish You Were Hereツアーを全米で約30回やったばかりだが、どの日も売り切れだったため、来年2周目をやると発表した。NYでももう行われたが、さらに2日行われる。


今年のライブの収益というのは、去年の同じ時点より12%上昇しているそう。だからこそどのライブもより特別な体験になるようにデザインされているのだと思う。しかし、昨今素晴らしいのは、技術が日々ものすごくスピードで前進していること。それを最大限に使いデザインのレベルやその効果が高いこと。アーティスティクな才能が結集し、行く度に感動のセットが展開される。

今年のアーティストの特徴は、マーチも次のレベルに行っていることなのだが、トラヴィスはその意味でもトップを走っている。それもコレポンに書いたのでぜひ読んでもらいたいが、このツアーでも、彼のマーチのブースは午後12時にオープンしていた。それでも長蛇の列。

トラヴィス・スコットのライブが今年最強だった。後ろにはカニエがいて、横にはビヨンセとJAY-Zがいた。LAライブレポ。

つまり、トラヴィスは、
1)ストリーミング数(appleのグローバルアルバムリストで5位)
https://www.billboard.com/articles/news/8488043/drake-rules-apple-music-best-of-2018-charts
2)マーチ
3)ライブ
という今のアーティストに大事な要素を全てもうらしていて、最も2018年的なアーティストのあり方を象徴していたと言えると思う。ビヨンセとJAY-Zが視察?に来ていたのも理解できる。

さらに、このライブは、トラヴィスが今のメインストリームの大スターになった瞬間を目撃した、と言えるものでもあった。

トラヴィスは、このツアーの大成功を記念して、45万ドル(5000万円くらい?)のネックレスを買ったそう。おめでとうございます。

トラヴィス・スコットのライブが今年最強だった。後ろにはカニエがいて、横にはビヨンセとJAY-Zがいた。LAライブレポ。
トラヴィス・スコットのライブが今年最強だった。後ろにはカニエがいて、横にはビヨンセとJAY-Zがいた。LAライブレポ。
トラヴィス・スコットのライブが今年最強だった。後ろにはカニエがいて、横にはビヨンセとJAY-Zがいた。LAライブレポ。
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