ブルース・スプリングスティーン、「ミネアポリスで起きている国家的な暴力に応え」土曜日に書いたプロテストソングを急遽リリース

ブルース・スプリングスティーン、「ミネアポリスで起きている国家的な暴力に応え」土曜日に書いたプロテストソングを急遽リリース - 『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』(デジタル配信中/3月25日DVD、ブルーレイ発売)Kevin Mazur/Getty Images for 20th Century Studios 『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』(デジタル配信中/3月25日DVD、ブルーレイ発売)Kevin Mazur/Getty Images for 20th Century Studios

ブルース・スプリングスティーンは今月、ミネアポリスで移民税関捜査局(ICE)や国土安全保障省の捜査官による強制執行が進行する中で、37歳のアレックス・ジェフリー・プレッティ氏と同じく37歳のレネー・ニコール・グッド氏が射殺され、米国内で抗議と議論が広がっている情勢を受け、プロテストソング『Streets Of Minneapolis』を急遽リリースした。


スプリングスティーンは、この曲についてこうコメントしている。
「この曲は、土曜日に書き、昨日(火曜日)レコーディングし、今日ミネアポリスで起きている国家的な暴力への応えとして、君達に届けるためにリリースした。これは、ミネアポリスの人々、無実の移民の隣人たち、そしてアレックス・プレッティとレネー・グッドの記憶に捧げるものだ。

自由であれーーブルース・スプリングスティーン」

またAPによると、ホワイトハウスの報道官アビゲイル・ジャクソンがこの曲についてコメントしている。

https://apnews.com/article/bruce-springsteen-song-minneapolis-2f4232553bef164d02b1474627dd3b5f

「トランプ政権が注力しているのは、危険な犯罪歴のある不法移民を地域社会から排除するため、州や地方の民主党関係者に連邦法執行機関と協力するよう促すことだ。無関係な意見や不正確な情報を含む、でたらめな楽曲ではない」

歌詞を追いながら聴いて欲しい。

《冬の氷と寒さを越えて
ニコレット・アヴェニューを下る
炎に包まれたこの街は
火と氷を相手に闘っていた
占領者のブーツの下で

キング・トランプの私設軍
DHS(国土安全保障省)の名を掲げ
腰に銃を下げたまま
法を執行するために来たという
——少なくとも
それが奴らの言い分さ

煙とゴム弾の中
夜明け前の薄明かりで
市民たちは正義のために立ち
その声は夜を貫いて響いた

だがそこには血の足跡
慈悲が立つはずの場所に
雪に覆われた通りに
二人の死が残された
アレックス・プレッティ
レネー・グッド

ああ ミネアポリス
おまえの声が聞こえる
血の霧を越えて
歌い続ける声が
この大地のために
そして
この街に生きる異邦人のために
立ちあがろう

ここは俺たちの家
それでも奴らは殺し
歩き回った
’26年の冬
俺たちは忘れない
名を奪われた者たちを
ミネアポリスのストリートで

トランプの連邦のならず者たちが
顔を殴り
胸を打ち
そして銃声が響いた
アレックス・プレッティは
雪の上に倒れ
息絶えた

奴らは言う
「正当防衛だ」と
だが 目を信じるな と
それでも残るのは
俺たちの血と骨
笛の音と
掲げられた電話
ミラーとノームの
汚れた嘘に抗して

ああ ミネアポリス
おまえの声が聞こえる
血の霧の中で
泣き叫ぶ声が
俺たちは忘れない
名を奪われた者たちを
ミネアポリスのストリートで

奴らは言う
法を守るために来たのだと
だが踏みにじられるのは
俺たちの権利
肌の色が黒でも
茶色でも
その場で問い詰められ
追い出される

『ICEは出て行け』
その叫びの中で
この街の心と魂は
まだ生きている
割れたガラス
血の涙の向こう側
ミネアポリスのストリートで

ああ ミネアポリス
おまえの声が聞こえる
血の霧を越えて
歌い続ける声が
ここは俺たちの家
それでも奴らは殺し
歩き回った
’26年の冬

この大地のために
この街に生きる異邦人のために
立ち上がろう
俺たちは忘れない
名を奪われた者たちを
ミネアポリスのストリートで

俺たちは忘れない
俺たちは忘れない》

*最後にミネアポリスで行われたプロテストの声と思われるICE OUTというチャントが入っている。

*また「ミラーとノーム」というのは、スティーブン・ミラーとクリスティ・ノームのこと。
ミラーは現在米大統領次席補佐官/大統領国土安全保障アドバイザー、ノームは国土安全保障省(DHS)長官。2人が、とりわけノームは、移民政策や連邦当局の行動を正当化する「公式説明」を発表する。

日本でどれくらい報道されているか分からないので、この曲の背景を簡単に説明すると、米ミネソタ州ミネアポリスでは2026年1月7日にICEの職員がレネー・ニコール・グッド氏(37歳)を射殺。これがきっかけとなって抗議行動が発生した。地元映像や独立検視では、当局の「正当防衛」説明と映像の内容が一致しない点が指摘されており、全国的な批判を生んでいる。

また、1月24日には連邦当局が別の市民、アレックス・プレッティ氏(37歳)を射殺。これも抗議活動を拡大させた。彼はICU看護師で市民であり、現場映像では彼が女性を助けようとしていた可能性がある状況で撃たれたとする報道もある。

これらの出来事を受け、全国各地で抗議行動が起き、連邦当局の対応や捜査の透明性を求める声が高まっている。

ミネアポリスで行われているプロテストの様子。

中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on