続ガガ&タランティーノ


レディー・ガガの新ビデオ”テレフォン”について、町中が大騒ぎの今日この頃。音楽サイトはもちろん、映画サイトも、ファッションサイトも、カルチャーサイトも、新聞まで、まず驚きの第一報の後に、逐一の分析大会。
http://www.youtube.com/watch?v=GQ95z6ywcBY&feature=player_embedded#
私もさっそく「趣味の悪いタランティーノ映画みたい」と書いてしまいましたが(すいません)、
http://ro69.jp/blog/nakamura/32073
付け足して言えば、趣味の悪いデビット・ラシャペル写真にも見えるこのビデオ。なんと、この女のリベンジ物語の中で登場するPUSSY WAGONはレプリカではなくて、『キル・ビル』で使われたクエンティン・タランティーノ所有の本物の車なのだそう。ええええ……。ケーブル局E!によると、ガガがタランティーノとランチをして、ビデオのコンセプトを語ったところ、「PUSSY WAGON使ったほうがいいよ!」と言ってくれたのだそう。本当は彼に監督してもらいたかったのではないか??


また、タバコの吸い殻メガネをかけている時に着てる服は、ヴィクター&ロルフの2010/11秋冬”Glamour Factory"コレクションに登場したジャンプスーツ。ガガに獄中の服をデザインして欲しいと頼まれて作った服がインスピレーションになってそのコレクションができたとも。


さらに、最初に着ているファンキーな獄中ボーダー服は、Jean-Charles de Castelbajacで、サングラスは、Mercura。これ以上知りたい人がいるかどうかわかりませんが、クライム・シーンのテープで作った”服”は、Brian Lichtenberg。水色の電話帽は、Fred Butler。ウエイトレスの服は、Rachel Barrettで、電話型のアイパッチは、Danilo。出獄後にガガとビヨンセが着ているのは、ビンテージのTheirry Muglerで、ビヨンセのかっこいい水色ジャケットも、Jean-Charles de Castelbajac。そして、この写真のPUSSY WAGONでの服は……もういいですね。ふゅー。ちなみに、ワンダーウーマンの時のバンダナは、なんとアクセル・ローズなのだそう……というのはもちろんウソ。しかしこの奇抜さ、『アリス・イン・ワンダーランド』すら、かすみます。


ガガはこのビデオのコンセプトについて、引き続きE!に「ポップ・ミュージック・ビデオの既成概念を壊そうとした」と語っており、また、「”FAME”(有名であること)カルチャーについての意見を述べようとした」とも。つまり「表面的には浅いが、実はそこには深い意味があるということ。しかもそれは、現在、情報/テクノロジー過多な世界に生きるアメリカの若者達が、そこから僕らが今生きるこの国が一体何なのかを語っている」ということも表わしていると。つまり軽視されがちなデジタル・テクノジー/若者カルチャーの味方であるということか。


また「電話してこないで」と歌っているだけなのに、と書きましたが、ガガ曰く、この曲は「窒息の恐怖」について歌った歌だと。仕事をしすぎて、人生を楽しめていない自分に対する。また”パパラッチ”ビデオとの継続でもあり、だからポライロドとか、3分間写真のブースが出てくるのか……しかしすごい情報量だ、ちと疲れた。


友達からもさっそく「ガガのビデオ見た?」とわざわざ電話がかかってきて(笑)、結局ビヨンセがかわいかった、と言ったら、「それを言ったら身も蓋もない!」と怒られた(笑)。「そうじゃないところでなりきっているから彼女は素晴らしいのだ。ドラッグ・クイーンと考えるとわかりやすい」と……ドラッグ・クイーンと言っちゃっていいのかどうかまた疑問ですが、ガガについて勉強し直します……。ちなみに、タイリースが女の子のお尻をパシッと叩いた後に「ワンピース!」と出るけど、さっそく意味がわかりません。タランティーノ映画にインスパイアされてなんとなく日本語を入れただけ?


というわけで、ガガ来日まであと1ヶ月!
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