BeyonceもJay-ZもKanye Westも勢揃い!”Watch The Throne”リスニング・パーティ@プラネタリウム


Jay-Z、Kanye Westによる待望の新作”Watch The Throne”のリスニング・パーティがNYで8月1日に行われた。


会場はNY自然史博物館のプラネタリウム!


電話、カメラ持ち込み禁止の厳重チェックの上、中に入りカクテルなどが振る舞われた後、プラネタリウムに着席。


すると、Kanyeがふらっと登場し、Beyonceも、Jay-Zも、「や〜や〜今日はどうもどうも」、ってな具合に登場して一緒に着席した。


終わってみれば、Busta RyhmesもQ-Tipや、Kelly Rowland、Solange, Grizzly Bear!、Pusha-Tなどなども参加の豪華リスニング・セッションだったのだ。


真っ暗になって、空に星が飛び交い、宇宙が曲に合わせて動く、という豪華なリスニングには、思わず最近観たビョークのライブも思い出してしまったのだが、そういえば、ビョークのライブもナレーションで始まるのだけど、このアルバムもナレーションで始まった。


と思ったら、体にまで振動が伝わる超低音のぶっといビート(これが基本のビートとなってた)にいきなり切り替わる。この強烈な1曲目は恐らく、Frank Ocean(OFWGKTA)の参加した”No Church in the While”なはず。そこから、最後まで確かに真っ暗な宇宙にぶっ飛んだような体験だった。


基本はミニマルとすら言える作りなのだが、だからこそ、カニエの天才としか言えない前作からまるで衰えないプロダクションが最高に効きまくっている。とりわけ、早くから話題になっている”OTIS"はずば抜けていた。


2曲目は、ビヨンセが参加した曲でこれはシンセサイザーがドラマチックに使われた異様にフックが強烈な曲”Lift Off"。なんと都合良く、”私たちは月へ、星へ行くのよ”と繰り返し歌っていた。アルバム全体の緩急の付け方も絶妙だし、サンプルも素晴らしくて、笑ったのが、ウィル・フェレルの出演するコメディ『俺たちフィギュアスケーター』の中から「意味は分からないけど、でも挑発的だろう」という台詞のサンプルが使われていたりしたこと。


また、Kanyeは引き続き自分の内面の告白をするとかなりナイーブな面が痛々しく正直に露呈するのだけど、今回は、とりわけ、これから生まれてくる子供についてラップした歌詞が印象的だった(Arcade Fireに感化されたか?)。


これから生まれてくる息子には、僕のエゴは遺伝させないから、というようなことをメランコリーな曲の中でラップ。で、Kanyeがそういうことをラップするのは珍しくないけど、Jay-Zはどうするんだろうと思っていたら、Jay-Zまで息子の将来についてラップしたのだ!!!!Jay-Zがそんなことラップするなんてちょっとあり得ないと思う。これには本当にびっくりした。


またその他目立った曲は、再びFrank Oceanが登場する”Made in America"や、アルバム最後を突然の終わりで締めくくった”Why I Love You"。またSwizz Beatzプロデュースの”Welcome to the Jungle”や”Murder to Excellence"でも拍手喝采となっていた。と書き出すとほとんど全部なのだけど、本当にこれはまたしても素晴らしい作品なのだ。KanyeとJay-Zがガチでコラボした、入魂の一作になっている。と、最後にJay-Zもそう挨拶で言って会は終わった。


アメリカでは、NY POST紙が、ふたりがコンサートの形態について意見が合わずにケンカして口もきいていないと報じたばかり。Kanyeは莫大なる予算をつぎ込みたいと言っていて、Jay-Zは予算はかけたくないと言っているとのこと。昨日はケンカしている風ではもちろんなかったのだけど、コンサートの日程が2ヶ月ほどおして調整し直されたのは確かだ。しかし、本日チケットは無事発売となった。またチケット買うと自動的にデジタルのアルバムが付いてくる、という方式でもあった。


とにかくアルバムは無事完成している!そして、発売はもう来週だ!
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