ジャパンドロイズ、最新ライブに大感激!


ジャパンドロイズのライブを観て来た。
色んな意味で大感動だった。

まず、ライブは、始まった瞬間から、モッシュと、ダイブと、”オーオーオーオー”という大合唱の嵐。つまり、ロックのライブにおいては、超当たり前の光景なわけだけど、これを最後に見たのは一体いつだったか、と思わず考えてしまう新鮮さだったのだ。つまり、アメリカの新人バンドがテロ以降長年できないでいた、この皮肉のない歓喜に溢れたライブを彼らがとうとう解禁してくれた、とそう思える感動的な瞬間だった。

ステージに立つふたりは、終始これが(キャパ600人)まるでマジソン・スクエア・ガーデンかのように、勝利感に満ちたパフォーマンスを見せる。とりわけ、ボーカルでギタリストのブライアン・キングは、その袖のまくり上げ方と言い、パフォーマンスの仕方と言い、ブルース・スプリングスティーンを彷彿とさせる瞬間が大量で、というか、ギターをがむしゃらに弾いたり、ジャンプしたり、ギターを掲げたり、常に写真にでも撮られているかのような、決めポーズを披露しまくるのだ。

リプレイスメンツ、クラッシュ、トム・ペティ、そしてブルース・スプリングスティーン、あ、ガンズ・アンド・ローゼズの大ファンでもあるとライブ中に告白していたが、ロックのそのアイコニックな瞬間に影響されたサウンドを鳴らしながらも、それを、ふたりというガラージロックサウンドで体現しているところが、今の僕らのサウンドとして鳴っている理由だとも思った。とは言え、シンプルなステージに積み上げられたアンプはやる気満々という感じだったし、それにブライアンのギターテクがものスゴくて、ガラージ版解釈とはまるで言えないダイナミックさだったのが驚きだった。

ただ、これを5年前にやっていても、受けなかったと思うのだ。テロ以降、アーケイド・ファイアが、ヴァンパイア・ウィークエンドが、MGMTが、フリート・フォクシーズなどがやるべきことをしっかりとやってきた結果、ここに到着できたのだと思う。そして、カナダのバンドだからこそ、もうそろそろいんじゃないか、とフライング気味で登場できたんじゃないかとも思う。ただ、もう誰かがやってくれなくてはいけない年に今年は来ていたと思うし、『セレブレーション・ロック』という、これ以上ない完璧な名前のアルバムを完成させたところがものすごく偉い。本人達は、そういう世情は考えていなかったとは思うけど。

ピッチフォークは88点、ローリング・ストーンも4つ星(5つが満点)という、インディ、メジャーから好評価のジャパンドロイズ。フジロックで見るバンドに迷ったら是非チェックしてみてください!そして、その時は、バンドの第3のメンバーとなって、「オーオーオーオー」と叫んできてください!

あ、そうそう、とにかくブライアンが超よくしゃべる。自分でも途中で告白していたけど、「いや俺がしゃればしゃべるだけ、良いライブをしている証拠だから心配するな!」と(笑)。あのしゃべりの量から言うと、私の見たライブは超絶好調だったのだと思う。
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