ジョニー・デップが駆け付け、ピーター・ジャクソンも参加、エディ・ヴェダーも出演の『West of Memphis』。トロント映画祭その5
2012.09.11 21:30
このブログでも何度が紹介してきたアメリカで起きた悲惨な事件”ウエスト・メンフィス3”。こちらに書いています。
http://ro69.jp/blog/nakamura/56639
ジョニー・デップ、エディ・ヴェダー、ピーター・ジャクソンなどが、幼児3人の殺人容疑で捕まった3人の免罪を訴えて長年運動してきた事件だが、昨年屈辱的な取引をして、18年間の投獄生活の彼らは一応は釈放された。
この事件の全貌を追った作品が『West of Memphis』で、トロント映画祭にて上映された。主犯格とみなされ死刑が宣告されていたDamian Echols出席の下、記者会見が行われたのだが、そこにジョニー・デップも応援に駆けつけ、映画のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるピーター・ジャクソンは、ニュージーランドからスカイプで参加した。
Damianは、「ピータ・ジャクソン、ジョニー(・デップ)がサポートしてくれていなかったら僕らは、釈放された後、一体どこへ行けばいいのか、何をすればいいのかも分からず、きっと釈放された後も逃亡者のようにあてもなく走り出す羽目になっていたと思うよ」と語った。「彼らは、僕らが釈放されればそれで終わりではなくて、出た後に、眠る場所はあるのか、着る服はあるのか、そんなことまですべて面倒みてくれたんだ」と付け足した。
ジョニー・デップは「僕はピーター(・ジャクソン)も言ったように、ここにセレブリティとして来ているわけではなくて、彼らの友達として来ているんだ。僕が何を語りたいのか、彼らが何を語りたいのかということについて、ひとりでも多くの人が耳を傾け、この事件について興味を持ってくれたら、ここから学ぶことはすごくたくさんあると思う」と語った。
ピーター・ジャクソンは「彼らは釈放されたものの、まだ刑務所にいるような扱いを受けているのでそれには本当にショックを受けている。この事件について、進歩があったとは思えない」とコメントした。
というのも、Damianは、有罪を認めたことで釈放されたという形になっているので、書類上は殺人犯ということになっているのだ。なので、出国したりする際には、異様に厳重な取り調べが行われるということだ。ピーター・ジャクソンも、ジョニー・デップも、本当の犯人は捕まっていないわけで、彼らがいまだ殺人犯として扱われていることには憤りを感じていて、引き続き彼らのために戦い続けるとも語っていた。ピーター・ジャクソンは、これまでも、彼らの釈放ために向けて、弁護団や私設調査団を雇う費用など多くを支払ってきている。
ジョニー・デップは、「友達として」と語っていたが、実際にDamianが刑務所から出た後に、彼の家に招いたそうで、「一緒にフレンチフライとタコスを食べたんだ。それからタトゥー・ショップに行って、お揃いのタトゥーを入れた」のだそう。「それが僕なりのお祝いの仕方だから」。実はいくつか同じタトゥーがあるらしくて、ジョニー・デップが気に入っているのは、Damianがデザインしたものだということ。記者会見中に見せてくれたものもあった。
ちなみに、Damianが黒いサングラスをかけているのは、20年近い投獄生活の間、1日に1時間しか日の光の当たる場所に出してもらえなかったため、いまだに目を保護しなくてはいけないからだということも語っていた。
このドキュメンタリーには、エディ・ヴェダーや、ヘンリー・ロリンズなども登場する。