ウェス・アンダーソンがPRADAとコラボした短編が相変わらず素敵


現在行われているローマ映画祭において、今日ウェス・アンダーソンのPRADAとのコラボによる8分の短編”Castello Cavalcati”が上映されました。

映像はこちら。

相変わらずのウェス・アンダーソンワールドが炸裂の素敵な内容です。

舞台は、1955年イタリア。カーレースに出たジェイソン・シュワルツマンが主人公。ある田舎街で、車がキリスト像にクラッシュしてしまうのです。
「ふざけんな!車はずっとスリップしていたんだ!」「あんなものどぶに捨てるのがお似合いだ。酒でも食らわせておけ」とぶーぶーに文句を言ってまくしたてた後、カフェに座るって、地元の人達としゃべっていると、なんと、この場所が自分の祖先の出身地Castello Cavalcantiであることが判明。しかも、隣りに座っている人が、遠い親戚の叔父さんではないか!!!!と(笑)。

「ここでクラッシュしておいて良かったのか。そうじゃなかったら死んでいたかもしれない」と怒りながらも少し思い直す。

代わりのバスが到着して乗って帰るはずだったんだけど、思いの他早く着いてしまったので、次のにするとスパゲティを注文する、というところで終わります。

人生何が不幸で幸いか分からない。なるようになる、という内容でしょうか。

さらに、ウェス・アンダーソンは待望の新作コメディ『The Grand Budapest Hotel』がアメリカでは3月7日に公開予定です。

こちらのポスターと予告編がすでに到着しているのですが、これがめちゃくちゃ面白そう。

タイトルの通りホテルを舞台にしているのですが、そこの常連客だった大金持ちの夫人が殺されてしまうという内容。そして彼女と関係のあったホテルのコンシェルジュ、レイフ・ファインズが騒動の中心となるみたいです。さらに、彼を師としていたベルボーイとの物語も。ピンクを貴重にした色彩がまたウェスらしくて、名作『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』を彷彿とさせますが、この作品はタイトルの通り、彼の作品の中でも最もスケールが大きそうなところがまた魅力です。公開が楽しみ!

予告編はこちら。
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事