グッドモーニングアメリカ、メジャー2ndフルアルバム『inトーキョーシティ』発売まであと11日!
日替わりカウントダウンレヴュー、今日は2曲目“アブラカタブラ”です。
これはシングル『イチ、ニッ、サンでジャンプ』のカップリングとして発表された楽曲だ。緊張感のあるギターリフからハイハット裏打ちのダンスビートが入ってきて、「平成!」「NO!」のかけ声でブチ上がるライヴ必殺チューン。こういう曲を聴くと、ライヴバンドとしてのグドモのパワーを実感する。サウンド的に派手なケレン味や仕掛けがあるわけではない。ド直球でこれだけの熱狂を生み出せるところに彼らの経験値の高さを感じる。
というわけでグッドモーニングアメリカの武器をガツンと詰め込んだような曲だが、こうしてアルバムの中で聴くと、シングルのときとは違う印象を受ける。ポップな“イチ、ニッ、サンでジャンプ”との対比ではなく、リアルなメッセージアルバムとしての『inトーキョーシティ』の中に位置づけられることで、この曲のもつ強烈なメッセージが改めて迫ってくるようだ。
平成になってから四半世紀、「平和」なこの時代に安穏と生きている自分自身の胸ぐらを掴み、それでいいのかと追い込んでいく歌詞は、最終的に嘘をつこうと心がゲスだろうと《俺は生きたい》という宣言へと結びつく。どんな時代でも、どんな世界でも、とにかく生きるという欲求。そのためのおまじないが「アブラカタブラ」なのだ。一見開き直りみたいだけど、それは金廣の正直な心でもある。煩悩(マーラ)に心揺らされながら、生きるためにどう戦い、何を手に入れるのか。聖人君子でもワイルドなロックスターでもない自分が最大限言えるメッセージはこれだという覚悟が、この攻撃的な曲に奥行きを与えている。
明日は3曲目”何とかなるでしょう”について書きます。