ミツメは平熱の日々を肯定する

ミツメは平熱の日々を肯定する

ミツメの「BLUE HAWAII SESSION TOUR」、東京公演。とてもとても楽しくて、最初から最後まで気持ちよかった。

リリースツアーではないからわりと自由な選曲で、しかも曲によってはザ・なつやすみバンドの中川理沙と村野瑞希、New HouseのPunPunを加えての7人編成。アンコールでは松田聖子“制服”のカヴァーも。

そのすべてが、ミツメの音楽を開放的で肯定的な、眩しいものにしていた。これかー、と思った。とくにゲストを加えた編成がスペシャルなものになるのではなく、ミツメらしさをより補強するようなものになっていたのが、いかにも彼ららしいと思った。

ミツメはさりげなく、しかし力強く、この世界を肯定する。まさに今生きている毎日のような、平坦で退屈な人生を、まさにその平坦さと退屈さにおいて肯定しようとする。だからその音楽は淡々としていながら、キラキラと輝く。平熱が心地よい温もりとなって身体を包む。

本人たちは口数も多くないし、口下手だし、朴訥としているけど、そのぶんその音や佇まいにメッセージがある。なぜこの曲順なのか、なぜ7人編成なのか、なぜあの曲でミラーボールが回ったのか、なぜDVDをリリースするのか。すべてが一貫して何かを伝えようとしている、という気になる。気のせいかもしれないけど。

外はショッキングなくらい寒いけど、満員の渋谷クラブクアトロはとても暖かった。
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