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    yukihiro・345・百々のバンド、geek sleep sheepのデビューシングルが超いい

    yukihiro・345・百々のバンド、geek sleep sheepのデビューシングルが超いい

    L'Arc~en~Cielのyukihiro(Dr)、凛として時雨の345(Vo・B)、MO'SOME
    TONEBENDERの百々和宏(Vo・G)の3人による新バンド、geek sleep
    sheepによるメジャーデビューシングル『hitsuji』(10月16日リリース)。全3曲、聴かせてもらったのだが、これすさまじくよい。どうしよう。ドンズバ。

    この3人の名前が並んだ時点でクオリティは保証されているといっていいのだが、予想を超えるマジックが起きている。ネオアコ、ニューウェイヴ、シューゲイザー、グランジ……80年代後半から90年代初頭のオルタナティヴ・ロックがサウンドの基調で、それはメンバー個々人の音楽的趣味をストレートに反映したものだったりするので納得だし、だからカップリングでストロベリー・スウィッチブレイド(←80年代に一瞬輝いたグラスゴーの一発屋水玉サイケガールズデュオ)の“SINCE
    YESTERDAY”をカヴァーしていたりするのもわかるのだが、ただ、その表現のレベルが、ただ「集まって楽しく好きな音鳴らしてみました」というものでは到底ない。ひとつのバンドとして、3人が完全に一体化している。

    表題曲“hitsuji”の345と百々によるツインヴォーカルのギターポップ黄金律っぷりも見事なのだけれど、耳をそばだてるべきは3ピースのグルーヴの濃さだと思う。この曲、思いっきりネオアコなペラペラの音なのに、ちゃんとグルーヴしている。上記のカヴァー曲も、ギターのカッティングだけで一気にファンキーなノリを出して、オリジナルとは全然違う雰囲気を生み出している。

    経験豊富なミュージシャンが3人集まっているんだから当たり前だと思うかもしれないが、全然当たり前じゃない。というか、むしろ経験豊富なミュージシャンが集まって「あるジャンル」の音楽に取り組むとバックグラウンドにある見識をトレースしただけの書き割り的音楽になってしまっても不思議ではないし、それでもじゅうぶんいいものは作れるはずなのに、geek
    sleep sheepは全然そうじゃない。

    音楽の方向性はすごく趣味的である意味マニアックなものだと言ってしまっていいと思うが、そこについての予備知識なしでも感じることができるフィジカルな昂揚感がポイントで、つまり、初のシングルにしてすでに、3人のあいだの相互理解とバンドに対するヴィジョンが、はっきりとできあがっているのだ。さすがライヴを軸にバンドを前に進めてきただけのことはあるし、もはやこれは単なるサイドプロジェクトではない。

    リリースはまだ1ヶ月以上先だけど、期待していていいと思います。

    あと、バンドのTシャツがすごくかわいい。オフィシャルサイトの「Store」から買えます。
    http://www.geeksleepsheep.com/
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