The SALOVERS × SAKANAMON、ガチ対バン!
2013.10.02 13:52
The SALOVERSの対バン企画「LOVER MATCH」Vol.6@新代田FEVER、お相手はSAKANAMON!
2バンドとも、こないだの野音の「スペシャ・ザ・ワールド」で観たけど、このありそうでなさそうで実際なかった組み合わせ。どうなることかと観ていたけど、おもしろかった。というか、似てるわこの2つ。
先攻のSAKANAMONは藤森元生が”マジックアワー”でまさかの「愛してるよ新木場ー!」と地名を間違えるハプニングにもめげず、攻撃的なライヴを展開。藤森の歌がすごくよくて、声も出ていたし、その前にそもそも巧くなったんじゃないかこいつ。サラバーズと自分たちを較べて「僕ら田舎もんなんで」とか「ズッコケ三人組」とか延々自虐を繰り返していたけど、まったくアウェイ感はなかった。途中でやった未発表曲もよかった。
対して出てくるなり古舘佑太郎が「新木場ー!」と叫んだサラバーズ(笑)。自分たちのイベントだからか、リラックスした感じで、荒っぽくて挑発的な、いつものサラバーズが全開だった。今でも覚えているんだけど、2年前のちょうど今頃、同じハコで観た彼らはもうなんかむちゃくちゃだった。
そのときもブログ書いたよなと思って探したらありました↓
http://ro69.jp/blog/japan/57777
そのときの荒っぽさと今の荒っぽさは全然質が違う。同じように腕をぶん回しているんだけど、今のサラバーズはそのぶん回している腕がちゃんと前に進む推進力になっている。2年も経てば変わるよな、という話ではなくて、バンドの意思とビジョンの話。
で、そんな両者のどこが似ているのかという話ですが、つまりどちらのバンドも素直じゃないのである。ドロっとしたりがさっとしたりするエモーションが表現の源泉で、そこからすべての楽曲が生まれているのに、それをまっすぐ出すのが苦手というかイヤだというか、とにかくなんかひねりを加えてくる。それがSAKANAMONの場合はシュールに、The
SALOVERSの場合は台湾とか文学とかブチキレとかに転化される。わかりにくいのでより簡単にいうと、「寂しい」という感情が生まれたときに「寂しい」と歌うことを嫌がって、おちゃらけてみせるのがSAKANAMON、寂しいと思ってる自分をぶん殴るのがサラバーズ。
ある意味ではロックってそういうもんだろということも言えるが、この2つのバンドはその症状が結構こじれている。だからこそ目が離せないし、ふとした瞬間に出てくる素直さにハッとさせられたりするし、逆にもどかしく感じたりもする。
写真は終演後の2組。まるで「2つのバンドは似てる説」を裏付けるかのようにシンメトリー。そしてヴォーカルのふたり、何だその髪型は。