バンド史上最多の70公演というアルバム『JUNGLE 9』の全国ツアーも、この日の中野サンプラザが68本目。ついに東京ファイナルとなった。

甲本ヒロト（Vo）は「ありがとう、中野サンプラザ～！　今日は、絶対忘れられない思い出になりそう」と言いながら、急にサンプラザ中野の歌マネを披露したりして、ニコニコ。『JUNGLE 9』の曲をガッツリ聴かせ、過去の人気曲もバッチリ楽しませて、徹頭徹尾ロックンロールに貫かれた火の玉のような痛快ライブだった。

彼ら4人の手にかかると、シンプルな8ビートが、まさに密林のジャングルみたいに、深い味わいと複雑な表情を持って立ち現れてくるから不思議だ。エモーショナルなメロディと、腰のあたりを刺激する強力なビートに背中を押され、ステップを踏んでいるうち、ロックンロールという魔法の絨毯は、会場の中空を飛び回り、オーディエンスを途方もない開放感へ誘い出していく。「楽しい、気持ちいい、カッコいい」と、言語能力ゼロのダメ感想しかつぶやけなくなってしまうほど、“ロックンロールに殺されてしまった今夜”でした。（岸田智）