8日から始まった『マーカス・クリンコ David Bowie Unseen』写真展に行ってきた。昨日は、初日とあってマーカス・クリンコ氏も参加してのレセプションが行われた。
元はハープ奏者であったというクリンコ氏は、指を怪我をして断念、カメラマンに転身したという。
イマンとの交友をきっかけに、デヴィッド・ボウイのアルバム『ヒーザン』のジャケット写真を撮影した。
今回の展示では、『ヒーザン』リリース前後に撮られた未公開のポートレートを中心に構成されている。
unseenと題されているだけあって、見たことのない写真が多く、
彼の死から半年たった今、新しいボウイと対面できることが嬉しかった。
『ヒーローズ』を撮られた鋤田正義さんと、スタイリストの高橋靖子さんもいらっしゃっていて、時空を超えた三者の出会いを、ボウイが囲んでいる様子がまたなんとも感動的だった。
以下、撮影についてかなりネタバレもあるので、これから行く方はご注意を。
狼とボウイ、というワイルドかつ気品に溢れたかっこいいポートレイトは、イギリスのQG用の写真。
しかしボウイはどうしてもスケジュールがなかったため、ふたりでアイディアを出しあって、新たに狼の写真を撮影し、2001年当時のボウイの写真と合成した作品だという。
この作品を見たボウイは、「こんないい写真ができるんだから、僕はバケーションに行ってても大丈夫だよね(笑)」と言ったそうだ。
また、今回最も印象的だったのは上の正座姿の写真。これは、次のシチュエーションに移る前、ボウイが一瞬とったポーズを撮影したものだ、と説明された。そんなわけでクリンコ氏自身も撮影したことを忘れていたのだが、今回の写真展のために、1000枚近くの写真を選んでいる中に、たった1枚だけ見つかったという。
『ヒーザン』のジャケット写真は、マン・レイにインスピレーションを受けたものだそうだ。なるほど!
ボウイは、レタッチ技術にも詳しく、ふたりでいろいろアイディアを出しあいながら、フォトセッションを行ったそう。
2002年にリリースされたアルバムのエピソードが聞けたことも貴重だった。(井上貴子)
詳細はこちら↓
マーカス・クリンコ David Bowie Unseen
会期:2016年7月8日(金)~20日(水) 11:00~19:00 最終日のみ~18:00(木曜休廊)
GALLERY SPEAK FOR
150-0033 東京都渋谷区猿楽町28-2 SPEAK FOR 2F T.03-5459-6385 F.03-5459-6386
http://www.galleryspeakfor.com/
ボウイのこんな美しいポートレイトが…。 マーカス・クリンコ写真展に行ってきた
2016.07.09 17:00