「僕はまず、質より量だと固く信じてるんだ(笑)。創造力ってある意味筋肉みたいなものだと思ってて、やればやるほど鍛えられるっていう。
発想としては、いつか自分が死んだら未発表曲が1万曲出てくるみたいな感じかな(笑)」
シンガー・ソングライターが大きく注目される傾向にある現在のUSインディ・ロックのなかで、これほどストレートに「バンド」のよさを感じさせてくれる存在は貴重かもしれない。
ミネソタ出身の5人組であるヒッポー・キャンパスは、何しろ高校の同級生たちで結成されたバンドなのだ。甘酸っぱくてキャッチーなメロディを武器とする彼らは、地元である中西部を基盤にして真っ当な成長を続けてきた。
ボン・イヴェールやロウの作品を手がけたことで知られるBJバートンをプロデューサーに迎えた過去2枚のアルバムはデジタルを駆使したプロダクションも話題となり、着実に支持を集めてきたところで今年リリースされたのが3作目の『LP3』である。
同様に学生時代からの友人だというCaleb Hinzとバンドの共同プロデュース体制となり、これまでの経験を活かした音の遊びをふんだんにちりばめつつ、何よりもポップな「いい曲」が詰まったオープンで清々しい作品になっている。
成長を続ける若者のドキュメントのようなヒッポー・キャンパスの歌は、ますます共感を集めることだろう。ボーカルのジェイク・ルッペンに話を聞いた。(木津毅)
ヒッポー・キャンパスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。