トム・ヨーク、英ドラマに書き下ろしたニューシングルをリリース! 加速するザ・スマイルの動きとともに、彼は新たなフェーズへと突入する

トム・ヨーク、英ドラマに書き下ろしたニューシングルをリリース!  加速するザ・スマイルの動きとともに、彼は新たなフェーズへと突入する - rockin'on 2022年5月号 中面rockin'on 2022年5月号 中面

2月末からコロナ関連の諸規制緩和が続き、イギリスもかつてのペースを取り戻しつつある。啓蟄ムードにほだされた……わけではないだろうが、トム・ヨークの動きが一気に加速している。まずはソロシングル“5.17/That’s How Horses Are”のリリースで、これはBBCの大ヒット作『ピーキー・ブラインダーズ』最終シーズン向けの書き下ろし(日本はNetflix配信)。これまでもニック・ケイヴアークティック・モンキーズらの楽曲を劇中使用し話題を集めてきたドラマだけに、完結編にふさわしい作品となっている。

“5 .17”は過去の彼のサントラ仕事、たとえば“Suspirium”や“Daily Battles”に通じる哀調なメロディとピアノの歌もので、背後で隆起するシンセの波に透ける歌声が実に繊細で深い余韻を残す。“That’s How ~”はピアノのカウンターポイントを軸とするムーディなインスト小品で、題名は同ドラマのスピリチュアルなシンボルである馬のことか?

原稿執筆段階で『ピーキー~』はまだ放映中だが、おそらくこの2曲は最終話で登場するだろう。聴いていると、悲劇的な結末――イギリスを舞台にした『ゴッドファーザー』的ドラマなのでそうなるしかないのだが――を迎えるのは確実だな……と感じずにいられない(涙)。

続いてジョニー・グリーンウッド、トム・スキナーとの新ユニット=ザ・スマイルも3枚目のシングル“Skrting On The Surface”をドロップした。クラウトパンクな“You Will Never Work In Television Again”ともアフロビート~ダブ調な“The Smoke”とも異なるジョニーらしいアルペジオギターがリードするトラックで、“The Smoke”に引き続きイギリスの鬼才監督マーク・ジェンキンとコラボしたビデオも秀逸。

ザ・スマイルは5月中旬から7月後半にかけてフェスも含む欧州各地のギグサーキットを転戦する。緊急事態下で何もせずじっとしているわけにはいかない……という焦燥・衝動から生まれたユニットなわけで、先だってストリームされたプレミアギグの素晴らしさからしても3者が蓄積してきたエネルギーとアイディアの数々が今夏堰を切ってあふれ出すのは間違いない。新たなフェーズの本格始動は秒読み段階、心して待て! (坂本麻里子)



トム・ヨークの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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