rockin'on 2023年4月号 中面ため息が出るほど素晴らしいラインナップだ。ブラー＆ケンドリック・ラマーというUKロック＆USヒップホップの重鎮を押さえたヘッドライナーのパンチ力は言うまでもない。ブラーは2003年以来実に20年ぶりの出演だが、前回はグレアム・コクソンが不在だったためオリジナルメンバーとしては初のサマソニ。ケンドリックは高い評価とは裏腹に単独公演で呼ぶには日本での人気がまだまだ追いついていない部分もあるだろうから、フェスのヘッドライナーで呼ぶには最も意義深い立ち位置にいるアーティストだ。その点で、フェスというものの役割を全うした最高の一手。
ここにリアム・ギャラガーまで控えているのがもはや恐ろしいのだが、さらにフォール・アウト・ボーイにエヴァネッセンスという昨今のY2K文脈を意識しつつ、インヘイラーにFLOという今年の日本でのブレイクが約束されているグループをしっかりとブッキングしてくる隙のなさ！
ワン・ダイレクションのナイル・ホーランや、次のオリヴィア・ロドリゴとの呼び声高いホリー・ハンバーストーンを持ってくるのもサマソニらしいし、ザ・スナッツやノヴァ・ツインズにラウヴといったフェスの機会ゆえに観ておきたいアクトももちろん網羅。サンダーキャットに加えて、モダンソウルの旗手：ゲイブリエルズといった方面もしっかりフォローしてある。
アジアが世界に誇るフェスとして今年サマソニはより一層のトップギアで来ているが、もちろんそれはパンデミックを経た上での昨年の完全復活が予想以上の盛り上がりを見せたからであって、今年のこのラインナップが実現することでさらなる熱狂と話題性を生むに違いない。
クリエイティブマンの清水社長は、J-WAVEの番組に出演し「去年のグラストンベリーでビリー・アイリッシュやケンドリック・ラマーを観て、どちらかは呼びたいと思った」と発言していた。それを実現してしまうあたり、さすがだ。ケンドリックは各国のアリーナツアーで見せているコンセプチュアルなショウをどの程度再現するのだろう？
とにかく、最高の夏がやってくる！ （つやちゃん）
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