【今月の気になるあいつ】 ニューダッド
アイルランドのゴールウェイ出身4人組バンド。学校の音楽の授業をきっかけに2018年に結成し、2021年にリリースしたデビューEP『Waves』が注目を集める。90年代のシューゲイザーやオルタナから影響を受けたダークで幻想的なサウンドと、多彩なソングライティングが特徴的。1月には待望のデビューフルアルバム『マドラ』をリリースした。現在発売中のロッキング・オン3月号では、「気になるあいつ」にてニューダッドを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
アイルランドから新たに要注目バンドの登場だ。ニューダッドはアイルランドの港湾都市ゴールウェイ出身の4人組で、学生時代の同級生を中心に18年に結成された。現在のメンバーはJulie Dawson(Vo/G)、Cara Joshi(B)、Sean O’Dowd(G)、Fiachra Parslow(Dr)となっている。彼らは90年代のオルタナティブロックからの影響が強く……と書くと最近よくいるロックバンドのようだが、そのなかでもシューゲイザーとドリームポップの影響が色濃いのがニューダッドの個性だろう。
ここ数年、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやスロウダイヴといったシューゲイザーのオリジネイターをZ世代が再発見しているという話を聞くが、そのなかでニューダッドは決定打との呼び声も高い。リバイバルとしてもポストパンクからひとつ時代が進んだと見ることもできるかもしれないが、現行のポップスも意識したモダンなプロダクションは新たな世代による音楽であることを示している。これまでにリリースした2枚のEPが話題を呼び、ツアーも完売が続いているという。そして、今年の1月に満を持してデビュー作『マドラ』を発表した。
ノイジーなギターの轟音と透明感のあるJulie Dawsonの歌声のコントラストはこれぞシューゲイザーの子どもたちといったところで、この様式性がいまも内省的な若者たちに響いているという事実は感慨深いものがある。ただ、それがたんなる模倣ではなく、デビュー作の時点でフォルムとして高い完成度を誇るものになっているのがニューダッドのいまっぽさだろう。
メランコリックだが雰囲気に流されないメリハリのある展開やたしかなフックのあるメロディはポップソングとしてもよく出来ていて、鋭利さと柔らかさを巧みに行き来するギターサウンドがムードをよくコントロールしている。
(以下、本誌記事へ続く)
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