今や世界の音楽シーンを代表する超絶テクニカルベーシストとして名を馳せているサンダーキャットが新作『ディストラクテッド』を携えて約4年ぶりに来日した。今回も東京、大阪、名古屋の3都市を巡る気合の入った日本ツアーだ。
今年3月、アルバムリリースと来日公演を目前に行った本誌でのインタビューで「来日公演の見どころは?」と訊いた際には、「そうだな、まずは俺のシューズにでも注目してもらえれば(笑)」なんてジョークを飛ばしていた彼だが、今回の東京公演初日では非の打ち所がない圧巻のライブを見せてくれた。
来日ツアー初日、東京。豊洲PITのフロアは後方までぎっしりと満員で、最初から最後まで歓声と熱狂に満たされていた。ベースライン、ドラムプレイ、キーボード、どれを取っても音の幅が広く、随所に挟まれる即興プレイで、とても3人で演奏しているとは思えないほどの厚みのあるグルーヴに驚かされた。
ステージには猫をモチーフにした巨大セットが鎮座し、曲に合わせて色を変えたり目をギラリと光らせたりしている。ふもとにはソニックがプリントされた金ピカの6弦ベースを携えたサンダーキャット。(ドラムのジャスティン・ブラウンもキラキラのヘルメットを被り、ミラーボールみたいにステージを照らしている)。“ナンバーワン・オタク”を公言する彼らしく、MCでも「なんでやねん!」などの日本語を織り交ぜて、観客を沸かせていた。
キャッチーでコミカルなキャラクターとは裏腹に、彼の代名詞でもある超絶プレイも余すことなく披露。意味がわからないほどの超速弾きを生で観ることができて感無量だ。セットリストの多くは新作からの楽曲群だったが、旧作からの馴染み深いヒット曲も多く登場するのでお楽しみに。
『ディストラクテッド』でポップスターとしての存在感を改めて見せつけたサンダーキャットだが、ライブでも想像を軽く越えてくるので、これから観に行く人は大いに期待してほしい。(土屋聡子)