子どものような、ではなく

子どものような、ではなく

ザ・ドラムスの初来日公演。すばらしかった。
ジョナサンの聞きしに勝るダンス、
クネクネと動きながら放たれるイアン・カーティスのような歌声、
繰り返された「コニャニャチハ!」、
ジェイコブの鳴っているのか鳴っていないのか分からないギター、
同じくジェイコブを振り回しながら鳴り響いたタンバリン、
アダムの前髪、コナーの赤いジャンパー、
どこからともなく聞こえてきた口笛、
すべて最高だった。
アルバムから聞こえる、ここではないどこかで鳴る
透明なギター・ポップとしてのザ・ドラムスとは違った、
リアルでイタいロックとしてのザ・ドラムスがいた。
彼らのはしゃぎっぷりというか様子のおかしさは、
まるで子どものような無邪気さというよりも、
子どもであらんと願う大人の奇妙な必死さの表れだった。

ザ・ドラムスの音楽に宿るピュアネスは、
無垢な天然培養ピュアネスではなく、
ぐちゃぐちゃと転がりながら手を伸ばした先の、
何かを乗り越えたピュアネスなのだと思う。

たぶんジョナサンはガールズのクリスほどに天然ではない。
同い年のひとりとして、そんなところに深く共感する。
ほっといても青春のきらめきが降りてくる時は過ぎた。
だからがんばってウネウネと踊るのだ。(小川)
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