CARIBOU

CARIBOU

代官山UNITでカリブーを観てきた。
最新作『スイム』が絶賛を受けているなかの再来日公演というわけだが、
正直いってたくさんお客さんが入っていたわけではない。
なんでだよ!とも思うが、しかし、素晴らしいライヴだった。
ツイン・ドラムを軸に緻密に音が組み合わされ、
ヴォコーダーを通したヴォーカル・ハーモニーがシンプルで美しいメロディを歌う。
そこにアブストラクトでカラフルな映像が重なって、
幻想的な世界を描き出していく。
でもそれは白昼夢のようにふわふわしたものではなくて、
ちゃんとフィジカルな響きを持ったダンス・ミュージックとして鳴っている。
アグレッシヴなリズムが、理知的なサウンドに躍動感をもたらしていた。

カリブーことダン・スナイスという人は、
数学の博士号をもっていることからも分かるように、
合理的で論理的な思考回路の持ち主なんだろうと思う。
それは音にもちゃんと表れているわけだけれども、
同時にカリブーの音にはロマンティックで人間的な部分もしっかりあって、
そのバランスが無性に心地よい。
サイケデリアのなかでも、脳みそが覚醒しているような。
彼がフレーミング・リップスと比較されるゆえんも、そのあたりにあるんだろう。(小川)
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