タイラー・ザ・クリエイターの爆笑ステージ
2013.05.31 20:38
昨日、リキッドルームで、タイラー・ザ・クリエイター with アール・スウェットシャツを観たんだけど、これがまた最高に楽しかった。
マックを操るDJひとりに、タイラー、アール、そしてジャスパー・ドルフィンを中心に、実にストイックでタイトなパフォーマンスを披露するという、まさにヒップホップのオリジンを強く感じさせる内容だった。
とはいえ、そのビートにノスタルジアはなく、何回かステージダイヴも繰り広げられたライヴには、まさにフレッシュなエネルギーでいっぱい。
よく聴くと、めちゃくちゃリリックがエゲつないけど(腐乱死体になになにするとか)、全体的にスマートで洗練されたそのスタンスは、非常に新鮮であった。
タイトルの爆笑ステージというのは、彼らがなにか面白いことをしたわけではなく、彼ら自体がずっと爆笑していたってこと。
どうやら彼らが見える客席でなにかが起きたらしいが、タイラーが一緒にステージに上がっているアールやジャスパーや、クルーの他の連中に、その出来事を指しては、ずっと大笑いしていた。
しかもラップ中に、ちらりとその方向を覗いては、また爆笑するという。
さらに裏からカメラを持ってきた仲間がこれまたずっとそれを撮影しているんで、こっちも気が散って仕方ない。
とはいえ、そこで内輪ノリになりすぎず、常にステージ上のハピネスを客席に伝播させていたタイラー。
歌詞はいちいちエゲつないし、メディアとかでは被害妄想タイプに描かれているけど、ステージ上の彼は、なんだか、めちゃくちゃいいやつに思えた。
ミスった方は、明日の横浜公演、絶対に行くべき。(内田亮)