SIGHT最新号の内田樹×高橋源一郎対談は


毎号大好評をいただいております、そして既に単行本2冊にまとまって刊行もしております(詳しくはこちら http://ro69.jp/product/book/detail/69165 )、内田樹と高橋源一郎の連載対談。


9月末に出たSIGHT最新号では、東京オリンピック招致決定についての話から始まり、「福島第一原発の汚染水は完全にブロックされている」「過去も現在も未来も住民の健康被害はない」という何を根拠にしているのか見当もつかないことを世界に向けて言い切った安倍総理の招致プレゼンのスピーチの話になり、さらに麻生副総理のナチス発言の話から自民党全体の危険性の話に移り、そして今、日本の政治が目指している国家は「シンガポール型」であり、「シンガポール型」というのはつまり「リッチな北朝鮮」である、という内田さんの持論が展開され……と、全22ページにわたって話がどんどん転がっていきます。

ショッキングなくらい、非常にシリアスな対談ですが、同時に、もんのすごく面白いです。

この対談、毎回、おふたり+司会の渋谷陽一がしゃべって、それを文字起こししたものを私がまとめているのですが、この号の完成したテキストを読んだ内田さんから、

「今月もおもしろいですなあ。」

というメールをいただきました。
しゃべった当人なのに。と、ちょっと笑いましたが、つまり、それくらいおもしろい、ということです。

講演とかスピーチとかで話す、というのは、最初から最後まで頭の中にあることを口から出して言うのではなくて、自分が一体何を言い出すのかわからない状態で臨んだ方がおもしろい、しゃべっているうちに考えもしなかった発想がわいたり、予想もしなかった方向に論が進んだりするからだ、というのは、内田さんの持論のひとつですが、高橋さんとトークすることで、それが3倍にも4倍にもなっている、ということなのだと思います。

ちなみに内田さん、周知のとおり、常にすごい勢いで本を出し続けている方ですが、そしてなんでそんなハイペースなのかというと「書いたもの」よりも「しゃべったのをまとめたもの」の方が圧倒的に多いからそれが可能なのだと推測しますが、特に今年になってからはその刊行ペース、常軌を逸しています。
単独著書と、対談や鼎談の本を合わせて数えたら、2013年になってから8冊出ていました。
ほとんど「月刊内田樹」状態。すごい。

SIGHT次号、詳しくはこちらです。ぜひ。http://ro69.jp/product/magazine/detail/89399

(兵庫慎司)