去年11月の大阪 フェスティバルホールから始まって今年1月の武道館公演まで、デビュー以来最大にして最長のツアー「Fogbound」をやり遂げた米津玄師。
最終公演の日本武道館では菅田将暉と“灰色と青”をデュエットし、それまではどこか「表現者としての発表の場」だった米津玄師のライヴが初めてショーとして、エンターテインメントとして立ち上がった瞬間を見せてくれた。
ライヴどころか自分の声ですら歌っていなかったハチ時代を考えると、ものすごく大きな変化/成長である。
ところが、米津本人はライヴに対する考えや姿勢はじつは全く変わっていない、と語る。
自分の興味は音源を作ることにあって、ライヴ自体には「こうなりたい」という像がない、と。
それであれだけの圧倒的なライヴをやれてしまうのだから凄いものだが、だとすると逆に、これからの米津玄師のライヴというのはまだまだとんでもないものになっていく未知の可能性が広がっているということだ。
アルバム『diorama』でインタヴューした時に「スタジオジブリのようなスケール感のあるエンターテインメントに興味がある」と語っていたが、それが自らの「ライヴ」へと結びつく日がいつか来るのかもしれない。
ともあれ、ツアー「Fogbound」の思い出話からいろいろ読み取ってみてください。(山崎洋一郎)
(JAPAN最新号 米津玄師ロングインタビュー・リード文より)
米津玄師がツアーと武道館公演を振り返りながら語りました。発売中のJAPANに掲載しています
2018.03.31 17:27