Saucy Dogの過去最高規模のアリーナツアーで、関東はKアリーナ2デイズ。
みんなが聴きたい曲をいくつも持つヒットソング・バンドとして、ハードな芯も柔らかな皮膚も両方持つロックバンドとして、そして親しみと魅力を備えた3人が集まった最高のトリオバンドとして、そのすべてをしっかりと余す所なく表現しきったステージだった。
アコースティックセットのパートや、ヒット曲での映像演出は初めて来た人やフェスでしかSaucy Dogを観たことのない人にはとても有効だったし、逆にあくまでも後半は「現代を生きるのだ。」を真正面から歌い、本編のラストは「怪物たちよ」で強く締めた。
「怪物たちよ」に込めた、その歌詞の奥にある深い意味を感じ取ってくれ、という気迫に満ちた3人の演奏はこのライブのやはりクライマックスだったと思う。
シングルだけではなくてアルバム至上主義でもない、ミニアルバムというリリース形態にこだわるSaucy Dog独特の変化と成長が見渡せるような、素晴らしいアリーナツアーだったと思う。(山崎洋一郎)
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Saucy DogのKアリーナ横浜公演を観て
2024.04.07 13:06