この国立競技場代々木体育館でジュディマリとしてライブをやった時のことを僕は今でも覚えている。
ステージに出てくるなり、YUKIは「今日は口紅ででっかく口を描いてきました。それなら遠くからでもよく見えるでしょ? だから近くで見るとひどいブスです!」と言った。
この子はやっぱり凄いなぁと思ったからよく覚えているのだ。
ありのままのぶっちゃけた姿をさらけ出して、ここまで大きなステージに立ち、長年スターのポジションに立ち続けている女性アーティストは彼女だけである。
もちろんYUKIは派手な衣装を着るし、演出も凝っているし、なにより、いつもかわいい仕種でかわいく写真に写っている。
だが、それは彼女自身を飾るためではない。
その時のありのままの気分やその時の生きる感覚を「ポップ」にして届けるためにそうしているのだ。
ありのままの気持ちをなんとかポップに届ける、
それが彼女の表現活動の全てで、それはまったくブレずに昔から一貫している。
届けるためなら、口紅で口をでっかく描く人なのだ。
いろいろな思いがあった今年、YUKIはそれをアルバム『megaphonic』の中で素直な感情とストレートな言葉とでかい音で表現した。
それを引っ提げての今回のツアーは、YUKIの「2011年のメッセージ」として来た人全員に伝わったと思う。