満杯のフロアを歓喜の渦に巻き込んだ90'sエモ・レジェンド=スターマーケット――1月に行われた17年ぶり、奇跡の再来日公演を今振り返る!

満杯のフロアを歓喜の渦に巻き込んだ90'sエモ・レジェンド=スターマーケット――1月に行われた17年ぶり、奇跡の再来日公演を今振り返る!

今年前半はエモ・バンドの来日ラッシュが続き、ファンを狂喜乱舞させている。1月にはスターマーケット、テイキング・バック・サンデイがライブを行い、3月にはミネラル、メイ(※昨年11月に出たニュー・アルバム『MULTISENSORY AESTHETIC EXPERIENCE』も素晴しかった!)の来日公演が控えている。今回は日本でもファンを公言するバンドマンも多い、スウェーデン発の4人組、90'Sエモ・シーンを牽引したスターマーケットの来日公演を振り返る。

バンドは04年に活動休止したものの、18年の夏に再結成を宣言。日本公演は02年の初来日以来、17年ぶりとなった。前回は4thアルバム『SONG OF SONGS』のタイミングで、僕も渋谷CLUB QUATTRO公演を観たが、バンドはより聴かせる作風にシフトしたこともあり、ショウ自体は牧歌的な雰囲気に満ちていた。

しかし、今回は違う。1stアルバム『STARMARKET』から3rdアルバム『FOUR HOURS LIGHT』までの曲を中心に行われるという事前のアナウンスもあり、関東公演にあたる新代田FEVER2デイズ公演はどちらもソールド・アウト。日本のATATA(※奈部川(Vo)が熱い思いの丈を綴っているブログ→http://atataweb.com/starmarket_and_i/)を対バンに迎えた最終日に足を運んだが、むせ返るような満杯のフロアを眺めていると、当時から好きだった人はもちろん、バンドが活動をストップしていた間にスターマーケットの音楽に触れて、大ファンになった人も多いのではないかと感じた。


ライブ自体は序盤から“Your Style”が飛び出し、観客は拳を突き上げてシンガロングの大合唱が広がっていく。それから名曲“Amber”を経て、“Baby's Coming Back”、“Coming From The Cold”、“Into Your Arms”と3rdアルバム『FOUR HOURS LIGHT』収録ナンバーを畳み掛け、北欧のバンドらしい泣きメロの応酬に目頭は熱くなるばかり。曲によってはモッシュ&ダイブも起こる始末で、アンコールで“Carry On”が披露されたときは待ってました!と言わんばかりの凄まじい盛り上がりを記録。17年というブランクが瞬時に雪解けする熱気漲るショウを眼前にして、時を経ても色褪せないスターマーケットの楽曲の良さを骨身に沁みるように痛感。今回の来日公演におけるバンドとファンの固い絆を絶やさないためにも、願わくば新作を携えて再び日本でライブをやってほしい。

なお、長らく廃盤になっていた1stアルバム『STARMARKET』、2ndアルバム『SUNDAY'S WORST ENEMY』が完全生産限定デジタル・リマスターで国内盤として再発もされたので、これを機に彼らの名曲群に触れてもらいたい。(荒金良介)
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