25年ぶりに奇跡の来日を果たしたメタル・チャーチ、王道メタルの真髄を叩き付けた名曲群の連発に酔いしれた!

25年ぶりに奇跡の来日を果たしたメタル・チャーチ、王道メタルの真髄を叩き付けた名曲群の連発に酔いしれた!

メタル・チャーチが「三度目の正直」で無事に来日した。過去二度に渡って「LOUD PARK」への出演をキャンセルしたこともあり、今度は確実に日本に来てくれるのか?と訝しげな表情を浮かべた熱心のファンもいただろう。けれど、94年の来日公演以来、実に25年ぶりに日本の地を踏みしめ、剛毅朴訥な純度100%のヘヴィ・メタルを叩き付けてくれた。

今回は、「名作『Blessing in Disguise』(3rdアルバム)、『The Human Factor』(4thアルバム)からの楽曲に加え、最新作『Damned If You Do』(12thアルバム)までを網羅してメタル・チャーチの歴史を日本独自の"スペシャル・セットリスト"でお届け」と事前に告知されていた、そのクラブチッタ川崎公演2デイズ初日の模様をお伝えしたい。

定刻18時にSEが流れると、フロアから「メタル・チャーチ!」と何度も連呼が起き、彼らを待ち焦がれていたファンの熱量に早くも圧倒される。そして、最新作の表題曲で火蓋を切ると、観客の反応も上々だ。16年に全面復帰したマイク・ハウ(Vo)はフロントマンとしての風格はもちろん、声量豊かな力強い歌い回しで観る者を惹き付ける。そのボーカルは微塵も錆び付いておらず、ハイトーンの伸びも全く問題ない。3曲目に哀愁漂うイントロを配した名曲“Badlands”も飛び出し、観客の声援とハンドクラップで熱気も急上昇! “Start The Fire”ではマイクがステージ下に降り、観客と顔を突き合わせて熱唱する場面もあり、サービス精神旺盛な振る舞いにファンも大興奮している様子だった。

中盤にはノリのいい“Date With Poverty”を投下してさらに焚き付け、サビでは大合唱が起きるほど。その後もキャッチーなリフがかっこいい“The Human Factor”においても激しい盛り上がりを見せた。また、記念すべき1stアルバム『Metal Church』収録の“Beyond the Black”も披露。ドラマティックなイントロをフックに強靭なリフを刻みつけ、会場のあちこちでヘッドバンギングに励む観客も目に止まった。加えて、マイクの気迫のこもったエモーショナルな歌唱力も絶品で、この日のハイライトと言っても過言ではないだろう。それからステット・ホーランド(Dr)によるドラム・ソロを挟み、“In Mourning”、“Fake Healer”で本編を締め括る。すかさずアンコールに応えると、10分近い大作“Anthem to the Estranged”で貫禄たっぷりにピリオドを打ち、全16曲約2時間に及ぶライブは幕を閉じた。


ディープ・パープルジューダス・プリーストなど英ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの薫陶を強く受けたメタル・チャーチの音楽には独特の哀愁や湿度が楽曲の中枢に宿っている。そこがまた日本人の琴線を大きく揺さぶる要因なのかもしれない。ただ、正統派中の正統派ヘヴィ・メタルゆえに一見地味に映るかもしれない。しかし、メタル内でジャンルが細部化を遂げる中で、メタル・チャーチが掲げた王道感はそういう時代だからこそ、より一層光り輝いて映ったのも事実である。なにより、奇を衒わず、色目を使わず、楽曲の魅力そのものでねじ伏せる力業に惚れ直してしまった。今回は最新作から表題曲のみプレイされる形となったが、過去の名作群に負けず劣らず、練り込まれた良質曲を詰め込んだ傑作だったことも、今を生きるメタル・バンドとして評価したい。84年デビューから貫いてきた老舗サウンドは、時代に風化されない説得力を魅せつけてくれた。その意味でも25年の空白を忘れさせてくれる素晴しいショウだった。(荒金良介)

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