7作目となるアルバム『Glory』をリリースする、マイク・ハドレアスによるプロジェクトであるパフューム・ジーニアス。ローファイな音質のバラッドで傷つきやすい心を表現するところから始まった彼の音楽は、サウンドとしての広がりと強度を獲得するとともにより開放的なものとなった。『Glory』はまさしくその続きとして、現在のしなやかなパフューム・ジーニアスの表現がたっぷり感じられる一枚である。
ロッキング・オン5月号では、インタビューでパフューム・ジーニアスの「いま」に迫っている。幅の都合で本誌には載せられなかった部分だが、現在のアメリカのクィアを巡る状況にマイクは心を痛めつつ、だからこそゲイであることで悩んでいたかつての自分に届けるような音楽を作ることが大切だと語ってくれた。いまこそ、その強さと美しさに耳を傾けたい。(木津毅)
パフューム・ジーニアスの記事が掲載されるロッキング・オン5月号