1970年代のエアロスミスがドラッグやアルコールの濫用に伴う問題と切り離せない関係にあったことは改めて説明するまでもないはずだが、それゆえのメンバーたちの記憶の不確かさにより、かの時代の彼らの物語には、ロック・バンド然とした生々しさばかりではなく、どこか映画のような現実離れした感触がある。
9月にはついに彼らのフェアウェル・ツアーが開幕を迎え、それに先駆けて8月18日には半世紀の歴史が網羅された最新版の『グレイテスト・ヒッツ』が登場することになっているが、ロッキングオン9月号では、70年代ロック大特集と呼応する形で、エアロスミスの貴重な記事をお届けする。
1989年、作品でいえば『パンプ』の発売年のロング・インタビューである。この年、彼らは自己2回目となるヨーロッパ・ツアーを実施している。前座に『ソニック・テンプル』当時のザ・カルトを従えて行なわれたこのツアーは、『パーマネント・ヴァケイション』(1987年)のヒットでふたたび最前線に躍り出た彼らの見事な復活ぶりをいっそう印象付けるものとなったが、その時点ですでにデビューから16年を経ていた彼らが、ずっと欧州から遠ざかっていたのは何故だったのか? その答えも実は70年代にある。
「そこまで白状しなくてもいいのに!」と思えるほど赤裸々に語られた、若き日の彼らのリアルな姿に是非触れて欲しい。(増田勇一)
エアロスミスの記事が掲載されるロッキング・オン9月号
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