「日本におけるミスター・ビッグの特別さを、すべてのバンドが羨ましがるはずだ」
今年70歳になった四弦達人、ビリー・シーンはそう発言していた。7月26日、日本武道館のステージ上でのことだ。この日をもって『ザ・ビッグ・フィニッシュ』と銘打たれたミスター・ビッグのフェアウェル・ツアーの日本公演すべてが終了した。1991年生まれの名盤『リーン・イントゥ・イット』の完全再現を軸としながら、思い出深い曲たちが惜しみなく網羅されたショウはそれだけでも満足度の高いものだったが、ツアー最終夜の最後にはメンバーたちの家族がステージ上に呼び込まれ、さらには2018年に他界したパット・トーピー(ds)の夫人と愛息まで登場し、この国のファンに謝意を表するというあまりにも感動的なフィナーレが用意されていた。
そして武道館での二夜公演を控えていた同24日、彼らは勢揃いで本誌の取材に応えてくれた。現在の音楽嗜好はどうあれ、このバンドとの出会いを切っ掛けに楽器を手に取ったり、洋楽ロックに興味を持ち始めたりしたという人たちは、本誌読者の中にも実はめちゃくちゃ多いのではないだろうか。今回のインタビューはそんな人たちにもぜひ目を通して欲しい内容になっている。そして今、改めて大きな喪失感を味わっている人たちは、きっと彼らの発言から希望を見出すことになるはずだ。(増田勇一)
ミスター・ビッグの記事が掲載されるロッキング・オン10月号
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