低温の熱血漢、勝負の舞台へ

キュウソネコカミ『チェンジ ザ ワールド』
2014年06月18日発売
MINI ALBUM
キュウソネコカミ チェンジ ザ ワールド
昨年あたりから急速に存在感を増しているキュウソネコカミがついにメジャーデビュー。7曲入りのミニアルバムからも、彼らの怒涛の勢いを感じることができる。ただし、彼らの音楽に触れた人はみな知っているように、その勢いは「熱さ」とか「ひたむきさ」とは異なり、ある種の冷気を伴うものだ。

周到な人間観察をベースとした風刺満載の歌詞のキレ具合は、優れたサブカルコラムの読後感に似ている。今作でも、恋愛渡り鳥の女子や、混迷する音楽シーンについて毒を飛ばしまくっており、大いに笑わせてくれる。しかし、それだけならコラムで済む題材かもしれない。キュウソネコカミの面白さは、冷めた現状分析を情熱的と呼ぶべき高速バンドサウンドに乗せて叫んでいる点にある。

そして、その音作りは歌詞における自虐志向ともリンクしており、「あいつ」だけでなく「自分」の笑える部分を鋭く突くことで、一種の共感ムードさえ生み出している。あいつも、こちらも等しく笑える存在であるならば、ひたすら踊ってしまおう――加速するリズムの中に、彼らの表現スタンスが見える。(神谷弘一)
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