いちろーは怒っている

東京カランコロン『笑うドッペルゲンガー』
東京カランコロン 笑うドッペルゲンガー
これは、伝わる作品である。シリアスな上に、誤解しようがない作品だからだ。前作の、表題曲がせんせいによる作詞/リード・ヴォーカルだった『恋のマシンガン』に続き、本作は2曲がいちろーによる作詞/リード・ヴォーカル。昨年の『16のbeat』の爆走ストレンジ・ロックンロールにも驚かされたが、AxSxEとの共同プロデュースによる“笑うドッペルゲンガー”はそれを凌ぐ豪腕ブルース・ロックであり、孤独と退屈のルーティンを生きるひとりの男の、拭い去れない苛立ちがブチ切れた熱量で歌われる。カップリングの“HentekoPop is dead”は、紛れもなくいちろーの一人称の歌である。この2曲は、「なぜ東京カランコロンはヘンテコなロックを鳴らし続けるのか」というテーマを、2つの方向から説明しているのだ。いつも怒っている人より、ふわふわニコニコしている人が怒ったときの方が事態は深刻である。カラコロのヘンテコは、切実で哀しい。3曲目はレディオヘッドのカヴァーで、本家ヴォーカリストのトムが「ロックなんか退屈だ」という名言を残したのは、この曲を発表した数年後のことだ。(小池宏和)
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