ロックは少女たちの声になる

the peggies『goodmorning in TOKYO』
2014年11月19日発売
ALBUM
the peggies goodmorning in TOKYO
《きみのお酒を飲む姿も/きみのタバコの匂いも/なんか全部、全部 かっこよくて/とても悲しくなりました》(“アイラブユー”)。素晴らしい。ガールズ・バンド隆盛の時代にあって、歌われるべくして歌われた名フレーズだ。恋する十代女子の混乱と揺らぎ、奥ゆかしさ。そういった青春文学や一本の映画に匹敵するようなテーマと情報量が、スッと染み入るようなロックソングに仕立て上げている。音楽の知識や演奏スキルがどうのこうのというよりも、十代女子がまるで自分の手足のようにロックという表現ツールを駆使している点に感動する。
この2014年春に高校の卒業記念企画ライヴで250人を動員したという、女子3ピースバンド。本作は初のアルバムで、バンド貯金をはたいて制作したという全8曲。レコーディング・エンジニアの上條雄次は、うら若くも冒険的な作曲で疾走感ごと耳にこびりつく“ATOM”や、夢幻の世界から次第に目覚めを迎えるように展開するワルツ“人形のやつ”といった楽曲で丁寧にバンドのサウンドスケープを拾い上げてくれている。12月4日には都内で自主企画も開催。(小池宏和)
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