ポスト・パンクの孤塁を守る

ギャング・オブ・フォー『ホワット・ハプンズ・ネクスト』
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ALBUM
ギャング・オブ・フォー ホワット・ハプンズ・ネクスト
英ポスト・パンクの最重要バンド(のひとつ)の4年ぶり8作目。前作後ヴォーカルのジョン・キングが脱退し、オリジナル・メンバーはギターのアンディ・ギルひとりしか残っていないが、もともと実質的にギルのワンマン・バンドのようなものだから、そう大きな問題ではないはず。

G4が多くの人たちに衝撃を与え後進に絶大な影響を及ぼし続けているのは、ひとえにギルの剃刀のようにキレキレのギター・プレイだろうが、それは初期、せいぜい2作目までのイメージで、以降のG4はギルの特異なギター・プレイだけに依存しないバランスのとれたサウンドを追求してきた。G4の活動休止中ギルはプロデューサーとしてレッチリやフューチャーヘッズなどを手がけてきたわけだが、そうした経験値が現在のG4に注入され、ダークでノイジーだが、メロディアスで意外に聴きやすい楽曲として結実している。初期のころのようなインパクトは求めようもないが、きっちりと細部まで作り込まれたサウンドのクオリティは高いし、懐古的にならず現代的なテンションを保っているのはさすが。ザ・キルズのアリソン・モシャートや布袋寅泰などがゲスト参加。(小野島大)
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