けったいなバンド名にまんまと惹かれてRIJFのパフォーマンスに触れてみたのだが、観る者をエンターテインすることにかけては一片の迷いも持たない集団である。
本作も、ファミコン直撃世代にとっては悪夢でしかありえないSEを皮切りに、超メロディアスなガール・ポップと、重厚なおどろおどろしさとは掛け離れたスットコドッコイなエレクトロコア/レイヴメタルを融合させて全速力でぶっ飛んで行く。
レトロRPGの記号を多分に盛り込んだその表現は、しかし決して二次創作的な分野には収まり切ろうとしない。音と歌声が、特定の枠からハミ出してしまっている。クリエイター集団である彼らにとって、RPGは飽くまでも共通言語であり、「合鍵」なのだろう。《ただ生きてる それだけでいい?》(“狂騒曲ザラキ”)と迫る切実な思いを受け止めて欲しい。(小池宏和)