空っぽの心に鳴り響く

EVERLONG『コインランドリーには』
2015年04月01日発売
ALBUM
EVERLONG コインランドリーには
04 Limited Sazabysやヒステリックパニックら、個性溢れる振り切ったバンドが続々登場している名古屋のシーンから現れたニューカマー・EVERLONG。彼らの鳴らす胸のすくようなポップ・パンクは、詰め込むことが当たり前の今の音楽シーンの中で、何にも左右されることなくまっすぐに私たちに届いてくる。

とにかく、彼らの鳴らす音は「まっすぐ」なのである。1曲目“POPダイバー”を聴けば、その意味は一発でわかるだろう。ヴォーカル・伊藤光博の突き抜けるような声、陽性でキャッチーなメロディ、飾り気のない素直な歌詞。時には《自殺願望はお茶の間に/コロコロコロコロ転がっているんだぜ》(“ナミダミダ”)なんてドキっとするような言葉もあるけれど、それでもネガティヴに聞こえないのは、言葉を載せるあらゆる「音」に曇りや偏屈さがないからだ。そこには、日々の暮らしで忘れてしまった素直さや熱さみたいなものが籠もっているようで、なんだか目頭が熱くなる。この衒いのない感性は、俯きがちな私たちの視界をズバッと開いてくれるだろう。拳ひとつで、迷わず進めよEVERLONG!(安田季那子)
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