ようやく自信を手に入れた先頭走者

KANA-BOON『ダイバー』
2015年08月05日発売
SINGLE
KANA-BOON ダイバー
KANA-BOONは、同世代の中で他の追随を許さない存在だ。しかし、本人たちはずっと、自信なさげだった。まず、メジャーデビューシングルが『盛者必衰の理、お断り』で、《忘れないで》と繰り返す。1万人6千人を動員した「ただいまつり」の後に出した『シルエット』でも、《何もまだ知らぬ》と歌った。2ndアルバム『TIME』に収録の “パレード”でやっと《先頭を走れ》と言い切ったが、それは《遠い未来の声》で、今の自分とは少し遠かった。その躍進の早さゆえに、現実を咀嚼する間もなかったのかもしれない。でも、着実に結果は出してきているし、やっぱり謙虚すぎる。しかし、今作“ダイバー”ではようやく、《いつだっていまだってちゃんと実を結んで》いると言えた。それは、憧れのアリーナのステージで、無数のファンの笑顔を見ることができたからだろう。そして、《いつだって》という部分がみそだと思う。その圧倒的すぎる現実を見て、彼らはこれまでに出してきた結果もすべて、素直に受け止めることができたのだ。遂に自信を手にし、先頭走者となる覚悟を決めた彼らの、さらなる快進撃が始まる。(塚原彩弓)

“ダイバー”のミュージックビデオはこちら
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