ROCKIN'ON JAPAN INTRODUCTION
KANA-BOON 谷口鮪

KANA-BOON 谷口鮪

谷口鮪 2万字インタヴュー「居場所」を求め続けた25年の半生を語る

セカンドアルバム『TIME』をリリースし、その勢いのまま3月のアリーナワンマンライヴへと向かっているKANA-BOON。新世代という枠を超え、ロックシーンのど真ん中を突き進むバンドの中心にいるのが、すべての作詞作曲を手掛けるヴォーカル・ギター谷口鮪だ。「鮪」という名前はもちろん本名ではない。高校生でバンドを組んだとき、顔が「正面から見たマグロに似ている」と指摘されたのがそのニックネームの由来である。以来、彼は谷口鮪として生きてきた。谷口鮪になる前の自分を封印し、バンドを前に進めることにすべての情熱を注ぎ込み、ここまで走ってきたのである。彼にとって音楽こそが自分の人生のすべてであり、唯一の居場所であり、残されたたったひとつの夢だったのだ。『ROCKIN'ON JAPAN』3月号掲載、その半生を語った2万字インタヴューから彼の発言を抜粋してお届けする。彼自身の言葉から、KANA-BOONがなぜこんなにも力強く前進を続けているのか、その理由を感じ取ってほしい。

撮影=YAMA 山添雄彦(mili)

父親はよく遊びに連れてってくれた覚えがありますね。いろんなとこに出掛けたと思います、たぶん。ゴジラがその当時好きで、ゴジラの映画観に行ったことは覚えてますね。映画館のグッズ売り場にゴジラのでっかいアメがあって、それを買って食べきれなかったという記憶があります

両親が離婚して、母親のほうに行ったんですけど、そこで手紙をずっと書かされました、父親に宛てて。早く引き取ってくれ、僕を迎えに来てくれっていう手紙を書かされて、出してっていうのをずっとやってました、4年間。でも、別にそれに対してのレスポンスは何もなかった

記憶がある中で、人からの愛に触れたことがなかったと思う。だからほんとに最初から知らなかったという感じですね。他の家庭がうらやましいなって思うことも、そんなになかったし。まあ、知らんからこそやってこれたっていう部分はたぶんあるんですけど

マキシマム ザ ホルモンを聴いて、ビビッと電撃みたいなのが走って。そこからがらっと変わったと思いますね。とにかく夢中になりました。もうそのことが頭から離れなくて。それまではそこまで興味を持つものもなかったし、時間を忘れるほど夢中になるもんもなかったから、もうひとりの自分がボン!と生まれたような感じでした

中学校3年生の1月とかにギターを買ったんですよ。卒業を控えて進路をちゃんと決めないといけないっていうので、人生の分岐点、岐路に立ってどうするかっていうので、ギターを買いました。別になんの計画もないんですけど、卒業したら東京に行くと思ってたし。ひとつの自分の武器というか、そういう感覚で買いましたね

僕にはもう、ほんとに音楽しかないんです。「僕、音楽がないと死んじゃうんですよ」みたいなスピリチュアル的なことじゃなく、実生活としても、人生の背景としても、音楽しかない。音楽に選んでもらうために、音楽以外の物事は、人間関係も含め全部断ち切ってきた。だからこそ、音楽が僕を選んでくれたんやなって思うんです

僕が信じられる、頼れる、そして守りたいものっていうのは自分自身しかなかった。でも音楽と出会ってそれがすごく救われたんです。音楽と出会って生まれたもうひとりの自分を頼れるようになったんですよね。ほんとに自分と音楽だけが自分を守るものであり、支えるものでありという

「谷口鮪」が生まれた時点で、その谷口◯◯の部分はどんどん消えていった。谷口◯◯のほうっていうのは自分にとっては負の部分でしかなくて、それを今までは分かち合える存在っていうのがなかったから。でも、そういうものを分かち合える人は、別に血がつながっていなくても存在するっていうことを知ることができました

続きは2015年1月30日(金)発売のロッキング・オン・ジャパン 3月号で!

ロッキング・オン・ジャパン
  • ROCKIN’ON JAPAN 2015年3月号

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