叙情的トランス、死角なき才気

アーミン・ヴァン・ブーレン『エンブレイス』
2015年11月25日発売
ALBUM
アーミン・ヴァン・ブーレン エンブレイス
トランペットの哀愁漂う旋律とウォール・オブ・シンセが鮮烈なコントラストを描く、EDM組曲とでも言うべき劇的な展開と荘厳なスケール感に満ちたオープニング・ナンバー“エンブレイス”が、アーミン・ヴァン・ブーレンの最新6thアルバムとなる今作の先進性を最もヴィヴィッドに象徴している。シンガーソングライター=チモ・フランケルとのコラボ曲“ストロング・ワンズ”がトランシーなサウンド&ダンス・ビートの音圧とともに濃密に漂わせるメランコリア。母国オランダの人気バンド=ケンジントンをフィーチャーした“ヘディング・アップ・ハイ”が描く、コールドプレイとEDMがマッシュアップされたような鮮烈な風景。コズミック・ゲートとの共演曲“エンバーゴ”やハードウェルとの“オフ・ザ・フック”で聴かせる、世界屈指のDJとしてのキレまくったクリエイティヴィティ。ギャヴィン・デグロウを迎えての壮大なピアノ&ストリングス・バラード“ルッキング・フォー・ユア・ネーム”……あふれんばかりの叙情性とセンスでもってEDMを刷新するアーミンの飽くなき探究心を全方位的に決定づける意欲作。(高橋智樹)
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