新作リリースを2016年春に控えたプライマル・スクリームだが、その前にファンには朗報！なボビーが選曲を担当したご機嫌なコンピレーション盤が届いた。前作『モア・ライト』をプロデュースしたデヴィッド・ホルムズの肝煎り企画ということでエレクトロニック寄りなコンピか？と思いきや、2015年で創設40周年を迎えた英老舗リイシュー・レーベルACEのカタログからセレクトされただけあって、60〜70年代のアメリカン・クラシック・ロックを中心とする、実に渋い内容になっている。

ビーチ・ボーイズやザ・バーズといったビッグ・ネームも含まれているものの、タイトルが示唆するようにコンピのムードは「（土曜のパーティーの後の）けだるい日曜の朝」で、それにふさわしいメランコリックなアシッド・フォークや滋味豊かなカントリー・ソウル／ブルースの隠れ名曲（リトル・フィートが最高）がずらりと並んでいるのはさすが。ジャケットを飾る本人のポートレートが最新版ではなく古い写真なのも、本作に響く『スクリーマデリカ』のスピリットを思わせてナイスだと思う。出来れば次はパンク／ガレージ・ロック篇もお願いします。（坂本麻里子）