力漲る次の10年へ

tacica『HEAD ROOMS』
発売中
ALBUM
tacica HEAD ROOMS
昨年結成10周年を迎えたtacicaの、次なるディケイドの第一章となる新作が到着。ドラムの坂井の脱退後、猪狩(Vo・G)、小西(B)のふたりとなって初のアルバムだった前作『LOTUS』は、10周年の区切りと共にtacicaのアイデンティティを深く濃く刻み付けていくヘヴィな作品でもあったわけだが、そんな前作に対して本作から感じるのは確固たるアイデンティティ獲得の先の自信、そしてその自信を基とした開放的で自由な音の響きだ。ソリッドで芯を食うギターサウンドは相変わらずだが、一音一音の体温がふわっと上昇していく心地よさがある。そして《この世の続きを涙で濡らしても/永遠に誇り愛してくれれば/僕達をほら掴んで離さない》と歌われる“ヒカリトカゲ”はもちろんのこと、《キミは万に一つも/THE ENDからは逃れられない》と歌われ、絶望の際に立つかのような“ONE”にすらも、聴く者に前を、上を向かせる力が漲っている。自主企画ツアー「三大博物館」テーマ曲として先行配信されてた“サイロ”も、こうしてアルバムにはめ込まれると彼らの旅路の連続性を感じさせてくれる。(粉川しの)
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