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    生きろ、生きろ、生きろ

    銀杏BOYZ『生きたい』
    発売中
    SINGLE
    銀杏BOYZ 生きたい
    銀杏BOYZ、ひいては峯田和伸の「心臓」としての歌。その心音が鳴り続けていることが、聞こえ続けていることが、音楽に人生を賭す理由になる。それが“人間”であり、“光”であり、三部作の完結編となるこの“生きたい”という歌だ。真っ暗闇の中で自らの原罪を徹底的にあらわにし、それを抱えながらのたうち回り、それでもなお――たとえ幻だとしても――微かに射し込む光に手を伸ばす。人間として生きたい、と現在に食らいつく。涙や鼻水や涎でぐちゃぐちゃになった顔で、峯田は自身に語りかけるように、自分以外のすべての他者の喉元に鋭利なものを突きつけるように歌う。その時間、15分11秒。“人間”と“光”の痛みと救いを死に物狂いで分かちあいながら体現したあの3人はもういない。しかし、だからこそ、峯田はこれからの銀杏BOYZを生きるために“生きたい”を響かせる。三部作の完結編にして、本当の意味での新章の始まり。それはやはり銀杏BOYZでなければ歌えない歌だった。クボタタケシがリミックスを手がけた“ぽあだむ”は、日常と日常が摩擦して起こるファンタジーが鳴っている。(三宅正一)
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