怒涛のシングル攻勢と、キャリア最大規模のワンマンで10周年イヤーを締めくくり、新章へと向かうSUPER BEAVERのニューアルバム。ただし、柳沢亮太が書き、渋谷龍太が叫ぶ言葉がそうであるように、その勢いは決して軽いものではなく確かな質量を伴っている。紆余曲折のバンドの歩みがあって、反省と決断と感謝と責任の弛まないアップデートがあって、SUPER BEAVERのロックはその質量を手に入れた。《全ては僕らの 気持ち一つだよ/歩き出さないで 変わる景色はない》(“じぶんまかせ”)という率直なメッセージは、生身の人間が無数の経験を経て弾き出したフレーズであることが、そのトーンのしなやかさと重さから伝わってくるはずだ。また、ささやかな愛の形を要求する女の子の視点にグッとさせられる“赤を塗って”や、上質なグルーヴの中で思考を推し進める“まっしろ”といった楽曲群が、豊かな響きを獲得したバンドの姿を映し出している。大人になって、しかし鋭さも激しさも失ってはいない、ただコミュニケーションの精度が向上しているアルバム。この6月からはいよいよロングツアーだ。(小池宏和)