前作から1年ぶりのニューシングル。今作は過去にも彼らの楽曲を手がけたKen（L'Arc~en~Ciel）をプロデューサーに迎えて制作。MUCCらしいヘヴィネス、ポップ性、奥行きのあるアレンジを効かせた多面性を見せつつ、どの曲もスケール感のある曲調に仕上がっている。特に表題曲は田中義人がアレンジャーを務め、儚げな歌詞と叙情的なメロディを前面に押し出している。中盤過ぎの合唱コーラスも楽曲の荘厳さを底上げし、聴き手に切々と語りかけるヴォーカルアプローチを含め、雄大なロックサウンドにシビれる。ちなみに「ハイデ」とはエリカという荒野の意味を持つ花をドイツ語で表記したもので、花言葉は孤独という意味になるそうだ。それを歌詞と照らし合わせると、また興味深い。

“KILLEЯ”はニューメタル系のリフ、ダンサブルなビート、ハードロック調の煌びやかなギターソロを織り込んだ自由な展開が面白い。また、“JOKER”は重心の低いミドルテンポな曲調の中で開放感のあるメロディが際立ち、"悲しみとDANCEを"はL'Arc~en~Ciel風味のメロディで、ニヤリとした。（荒金良介）