さよならの前に伝えるべきもの

モーション・シティ・サウンドトラック『パニック・ステーションズ』
発売中
ALBUM
モーション・シティ・サウンドトラック パニック・ステーションズ
ポップ・パンクとエモとオルタナが交ざり合うでも、マッシュアップされるでもなく、ごろっと原型を保ったまま爆裂並走していくようなスリリングな無軌道感。極彩色の躍動感が弾ければ弾けるほどに濃密なセンチメントが溢れ出すジャスティンの歌世界――。今年3月の無期限活動休止発表によって結果的にラスト・アルバムとなってしまった、モーション・シティ・サウンドトラックの6thが、本国リリースから約1年の時を経て日本盤化。アナログ・シンセとディストーションがせめぎ合うミドル・テンポのハード・ポップ・ナンバー“ルーズ・コントロール”も、きらめく陽光の如き“イッツ・ア・プレジャー・トゥ・ミート・ユー”の祝祭的パンク感も、モーション・シティ・サウンドトラックの高純度結晶的な高揚感に満ちている。が、一転して決然とした空気に包まれた最終曲“デイズ・ウィル・ラン・アウェイ”では、「光は霞み大地は揺れ、すべてが消え失せる」、「さよならを言うのはなぜ辛いんだろう」といった「別れ」の黙示録の如きフレーズが胸に迫ってくる。「地球上で一番好き」とジャスティンが想いを寄せる日本でのラスト・スタンド=9月の大阪&東京公演は必見!(高橋智樹)
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