真のピストルズ、真のパンク

セックス・ピストルズ『ライヴ’76』
発売中
ALBUM
セックス・ピストルズ ライヴ’76
セックス・ピストルズ唯一のアルバム『勝手にしやがれ!!』は、もちろん不滅の名盤ではあるが、クリス・トーマスによってウェル・プロデュースされたサウンドは、だからこそ良かったと言える部分も大きいものの、「必ずしも1976年のピストルズが鳴らしていた音を正確に反映してはいない」という見解が根強く示されてきた。そんなわけで、本当にオリジナル・パンクの現場で鳴っていた音楽/起きていたことの空気感に触れるためには、当時のピストルズのライヴ音源を確認せねばならない。この4枚組は、そのためにはまさしく決定版的な内容だと言える。

ディスク1のマンチェスター公演は、わずか数十名の観客の中にバーナード・サムナー、ピーター・フック、モリッシーらがおり、つまりここがジョイ・ディヴィジョン〜スミス〜ストーン・ローゼズ〜オアシスにまで繋がっていく歴史の出発点となった現場だ。他のディスクのライヴにもそれぞれ伝説があるので各自確認のこと。音質は決して良いとは言えないが、今回のリリースにあたってアビイ・ロード・スタジオでリマスターが施された。あとは想像力全開で耳と心を傾けて聴こう。(鈴木喜之)
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