「いま、ここ」にいるということ

KOTORI『tokyo』
発売中
MINI ALBUM
KOTORI tokyo
子どもと大人、夢と現実、不安と希望など、さまざまな狭間を右往左往していた思春期に抱いていた感情がこみあげてくる作品だ。2014年に埼玉・越谷で結成された4人組・KOTORIのバンド初となる全国流通盤である本作。都会の喧騒と孤独、大人になりきれないもどかしさ、悲しい別れ、明日への希望――時にセンシティヴに、時に激しく揺れるグッドメロディと横山優也(Vo・G)の逞しさと繊細さが共存する歌声によって紡がれる東京の景色はとてもドラマティックだ。けれど、ただセンチメンタルなだけではない。さまざまなノイズに揉まれながらも、《機械の様に進む退屈な日々を/突き破るように/歪んだギターの音が鳴った》《胸が高鳴るような 涙が出るような/抱きしめるような 音楽を僕らは知ってる》(“明日には世界が変わるとしても”)と揺るぎない音楽への初期衝動を反芻する。「いま、ここ」にある青春の景色を映画のように情景豊かに描きながらも自分の立ち位置に自覚的な姿には、エヴァーグリーンな瑞々しさとともに確固たる意志が漲る。多くの人の心とシンクロしていくであろう一枚だ。(岡崎咲子)
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