空っぽの心に満たされるべきもの

amazarashi『虚無病』
2016年10月12日発売
MINI ALBUM
amazarashi 虚無病
10月15日に幕張メッセイベントホールで開催される全方位形式のワンマンライブ「amazarashi LIVE 360°」。秋田が書き下ろした小説『虚無病』の朗読を軸に行われるこのライブに先がけてリリースされるのが、アルバム『世界収束二一一六』後初の音源にして約3年ぶりのミニアルバムとなる今作。文字通り「虚無が“病”として蔓延した世界」の出口なき退廃を描いた表題曲“虚無病”や中島美嘉への提供曲“僕が死のうと思ったのは”セルフカバーなど、今作に収められた5曲は、『世界収束二一一六』とは別の角度から「今そこにある危機」を浮き彫りにしながら、熾烈な祈りに満ちたメッセージを放っていく。《オーバーテクノロジーと心中して 生け贄 犠牲 人間性》(“虚無病”)、《勝つか負けるか 上か下か そうじゃない 賞金も勲章もない もはや生存競争だ》(“メーデーメーデー”)と切迫した現状認識を突き上げるフレーズと、《あなたのような人が生きてる 世界に少し期待するよ》(“僕が死のうと思ったのは”)とギリギリの希望を抱き締める秋田の想いが交錯する、壮絶で美しい風景がここにはある。(高橋智樹)
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