再生のピュア・ソウル

エミリー・サンデー『ロング・リヴ・ジ・エンジェルズ』
発売中
ALBUM
エミリー・サンデー ロング・リヴ・ジ・エンジェルズ
2012年のデビュー・アルバムがUK1位を記録し、ブリットアウォーズ獲得に多方面の客演と、一躍スターの座に登り詰めたエミリー・サンデー。だが、突如として訪れた狂騒が若きスターを疲弊させてしまうケースがよくあるように、エミリーも神経をすり減らしてしまっていたという。前作から実に4年半の歳月を要したこのセカンド・アルバムは、彼女のセラピー的な経験が生々しく音楽の形で刻まれている。リード曲となった“ハーツ”をありのままに受け止めるとするならば、彼女は同時期に辛い離別をも味わっているようだ。悲嘆に暮れながら、己に鞭打って奮い立たせる歌が痛ましく響く。ただし、ジメジメと陰鬱なアルバムかと言えば、そうではない。むしろ逆だ。僕はエミリーを本質的にソウルの人だと考えていて、デビュー・アルバムは少し過剰プロデュースなのではと感じていたが、今回の彼女の歌は生命力が剥き出しになっている。ボーナス・トラックはいずれも良い楽曲だが、本編の15曲はそれ以上に凄い。つまり、サウンド面には徹底的に抑制を利かせ、歌の力で再生の過程を描く15曲が揃えられているのである。(小池宏和)
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