南アフリカの白人貧困層による文化＝ゼフを背景に、インパクト満点なキャラや、例えば前作ではAFX、ゲンズブールから、あずまんが大王まで取り込むユニークなセンスで話題を集めていたユニット。ニール・ブロムカンプ監督の映画『チャッピー』に、芸名のまま出演していたのを覚えている人も多いだろう。

最新作は、サイプレス・ヒルの本拠地ソウル・アサシンズ・スタジオで録音。DJマグスがザ・ブラック・ゴートという名義でバックアップしており、セン・ドッグも1曲参加している。さらには俳優ジャック・ブラックや、マリリン・マンソンの元妻ディータなどハリウッド・セレブなゲストも巻き込みながら、サウンド面ではこれまでのジャンク感を残しつつ確かな前進を示す内容となった。妖怪的な存在感を放つヨーランディのロリ声もいっそう蠱惑的に響く。すでにビルボードのチャートではダンス／エレクトロ・アルバム部門で1位、インディ・アルバムでも2位を獲得。ニンジャを名乗り、ピカチューの格好をしたり、BABYMETALの大ファンと公言する日本好きの彼ら、次はその強烈な姿を生で見られる日を待つばかりだ。（鈴木喜之）